オフィス鴻

物流クライシス㊦

2024年01月14日

前編に続き、日本経済新聞1面記事「2024年問題」の最終編です。副題は、「気づけば後進国の危機」「省人化・ドライバー待遇で遅れ」でした。ドライバー不足はEC購買への変化がもたらした世界各国の共通課題です。ただし、各国の道路事情、労働法制、商慣習など異なり、アメリカのドライバー待遇改善(UPSで最高年収2千万円、ウォルマートで1.6百万円)を単純に日本と比較できないことは以前のブログでお伝えしました。

編集人は日本の物流における最大の難関は、企業組織・文化、人的資源の脆弱さ、商取引、法規制だと考えています。また、多重下請け構造(中抜き)やパレット規格の統一化が進んでいないこと、閑散期の安値受注なども大きな原因の1つに変わりありませんが、最終的には個々の労働(例えば、バラ積みなどの重労働)に見合った報酬(介護・保育等の業界も同じです)でないことが、離職や労働力不足を招いていると思います。この点を勘違いすると、長時間労働問題と労働内容に対する報酬水準とがコンフューズ(混乱)され、事業所管理者の能力不足により仕事を効率的に進めたいドライバーと時間外給与名目で長時間労働で稼ぐドライバーの間で人間関係がぎくしゃくして、居心地の悪い職場になり離職が増えることも大きな要因です。

また、最近話題のライドシェアも然り、消費者はプロ人材による安全・サービスと一時的応援人材(テンポラリー)の低価格との選択・比較をしていませんか?既に運送業界では、4月以降を見越してより給料の高い運送会社への人材移動が昨年秋頃から活発化しており、1・2月に更に人材移動が起こり特に4月の繁忙期には多くの積み残しがでると思われます。また、実際にトラック輸送での運送業者選別基準が価格寄りで現場を知らない企業では車両手配が難しくなってきたことは明かで、現政権の一時的な現金給付策もさることながら、企業内留保利益の一部を新たな物流設備投資減税財源に廻して日本全体でパレット輸送・規格統一や積卸作業などの省力化とパテント(特許)取得を進めることが、中長期的に日本経済に寄与すると感じます。