オフィス鴻

物流フィジカル・インターネット

2024年04月22日

国土交通省・経済産業省は新たな物流形態構築(PI;フィジカル・インターネット)には、2024年までにコンテナ(パレットを含む輸送容器)、ハブ拠点(結節点)、プロトコル(共通ルール)などといった「高度な共通化」に向けた研究・開発への取り組みを開始するとして2040年までのロードマップを発表しました。AIによる最適化システムと物流インフラの共通化等を海外の事例も参考にして進める方向ですが、過度なオペレーション最適化システム導入、稼働率・積載率向上等による物流危機回避といった表向きは耳障りの良い文言だけが独り歩きしているように感じます。

また、医療介護・建設・運送飲食分野等では過酷な労働環境(拘束時間・低賃金・体力面など)が退職者増加・人手不足の主原因と言われていますが、提供するサービス水準と料金が見合わない点については、このロードマップでは殆ど触れられていません。特に運送2024年問題では価格転嫁の進行度により、運送事業者自らが撤退を申し入れ採算性の良い他の荷主へのシフトを始めています。また、一部切り出し可能な業務をスポット・ワーカー採用で対応しながら、労働時間を法令の範囲内に収める工夫なども見られます。ただし、運送事業者に限らず顧客の戦略的パートナーへと発展するには、現場を熟知した管理担当者のレベルアップ(特に原価計算・労務管理・交渉能力)の優先順位が高いことは共通の課題とも言えます。

なお、特別積合の西濃グループは損保会社と取引信用保険(金融ファクタリング)を開発、日本生命も非保険領域サービス領域へと顧客接点強化(ニチイ学館の買収;保育・介護・家事代行など)方針を打ち出すなど、新たな視点と既成概念に縛られないビジネスが始まっています。物流業界でも人材派遣で対応することが殆どでしたが、効果は小さくても良いので工夫を複数重ねていくことで新ビジネスが生み出される余地はありそうです。