オフィス鴻

運送事業と有限責任事業組合

2023年03月30日

2024年以降の運送業界の動向に関連して、有限責任事業組合(LLP:Limited Liability Partnership)について考察してみました。有限責任事業組合(LLP)とは、「有限責任事業組合契約に関する法律」により経済産業省で定義された法人格のない事業体を指します。日本では2005年から制度が適用となり、法人格を持つ企業では資金拠出割合(資本金等の出資比率)による利益配分が行われ、決算報告、株主総会、取締役選任など会社法に従う必要があります。

一方、法人格のないLLPは設立も容易で、出資者のアイデア・能力・技術・専門性などに価値を置くため、全資産は各組合員の分割所有であり資産価値の上昇は各組合員の分割資産増加を意味します。また、内部自治による組合員同意により出資比率に関係ない利益配分ができること、税制面では法人税・配当税はなく、受益権収益(所得)に課税されること、事業損失となった場合には組合員の他事業の所得との合算ができることなど、法人にはない柔軟な運営とメリット享受が可能です。

例えば、運送関連事業では届け出制の軽貨物配送業務など個人事業主の在り方の1つとして、またアイデア・能力・技術・専門性などを重要な資産価値とした新事業や技術開発面などでも検討価値はあるでしょう。その後、ビジネスとして成り立つことが見えてきた段階で、LLPを解散して新たに法人化(株式会社)するのも現実的選択肢だと思います。