オフィス鴻

運送事業と生成AI(2)

2023年03月26日

編集人は、数年前から「(仮称)Traffics Core Program」の企画・検討を始めています。そこには労働集約型産業である運送・介護・飲食・サービス業などに、需要予測に基づく事前レイバースケジューリング作成と最適化プログラム導入を図り、従業員個人単位での貢献度の定量化、定性業務を含めた業務改善と処遇改善(年収100万円程度の増加)の実現したいという「夢」があります。また、業務時間の短縮、時間外勤務に頼らない疑似年俸制(洗い替え方式)等による適正報酬分配も視野に入れながら、旅客機・電車の運航システム(定時運航、ダイヤ回復など)を参考に、運送事業の2024年問題解決策も含めた社内AIチャットの運用・構築も有効だと考えています。

一方で新AI技術は業務支援システム(ERP)との有機的連動が効果的で、事業現場を理解した要件定義と現場の状況変化を把握したPMO(Project Management Office)やアグリゲーター(Aggregater、別途Blog参照)の配置が非常に重要です。特にERPは正しい要件定義と言葉の共通認識があれば定量情報の統合管理と業務効率化の両立を実現できますが、ゴール(目標)が手段(システム導入自体が目的化)に置き換わり、かえって重複業務増加に陥るという高いリスクを内包しています。

また、持続的成長の実現には最適化された物流技術や得意先戦略への深い理解が必須である一方で、VUCA(Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))など、消費者ニーズの多様化によるサービス事業の市場環境変化は先行投資と期待とを増していきます。したがって、既存組織内の情報やノウハウに固執せず、最新情報の導入検討と目標実現への強い意志を有する人間性に溢れた人材配置は、成功への非常に大きな意味を持つと考えています。