オフィス鴻

長距離輸送の実証実験

2023年03月04日

約25年前、大手メーカー(ビール、食品、包装資材、国営嗜好品、中間流通業者等)による長距離輸送トラックの実走率・積載率向上および適正料金算出の実証実験を2年程行いました。この取り組みは関東~関西圏の工場間トラック輸送がメインで当初の目的は達成しましたが、各社の料金差(2~3割)、委託実運送業者(系列子会社を含む)のサービスレベル差が大きく、また景気後退による物流再編(輸送総量の減少)などが徐々に足枷となり、個別の企業間での取り組みへと移行させ実証実験をフェードアウトさせました。ただ、この取り組み自体はその後の各社の物流網構築戦略(新工場建設、デポ配置など)に少なからず影響を与えたと聞いています。

現在ではマッチングサイトによる運送料金変動化(ダイナミックプライシングとは全くの別物)が進んでいますが、国土交通省の運送約款、各社が事業認可時に提出した料金表が適用されているサイトは見当たりません。また、マッチングサイトは成約手数料を徴収するビジネスのため、多重下請け構造(料金の中抜き)の改善には関心が薄いです。それ以外でも、貨物自動車が関連する交通死亡事故ゼロ達成は、このビジネスがある限りは安全品質・適正料金面から非常に難しいと感じています。

編集人は、このブログ全体を通じて「中間流通機能の最適化により、企業利益の増加が適切な人件費配分に繋がり、安全性向上を合法的に実現すること」を他業界を含む具体的運用例を交えながらお伝えしていますが、一般自動車貨物運送事業は2024年問題を含め非常に大きな転換点にあります。安価かつ運用が容易で、事業者と働く人(運転手)の相互にメリットのある共通インフラプラットフォームの構築・導入により、まずは小規模(車両5千~1万台程度)でも成功事例を作ることが大切だと感じます。