オフィス鴻

C&S社へのTOB

2024年06月02日

本年3月、AZ-丸和HDが低温食品輸送のC&FにTOB(敵対的買収)を宣言しました。事業会社の丸和運輸機関は全国の同業他社との業務提携・M&A・フランチャイズ等で拡大路戦にあったドラッグストアであるマツモトキヨシとの取引、およびAmazon宅配事業者として急速に業績を伸ばしてきました。今回は、C&FHD(事業会社は名糖運輸、ヒューテックノオリン)を対象としていて、C&Fの主要株主である農林中金(農協)・協同乳業・損保会社等(全体の30%強の株式を保有)がどのような判断を下すのか注目されています。同様のケースでは2004年SBSがフレック(旧雪印物流;売上高500億円)、2014年にセンコーがランテック(旧九州牛乳輸送;売上高600億円)を子会社して経営統合した経緯がありますが、今回の買収提案では単純な事業拡大戦略(売上高1,100億円)、低温食品流通分野への進出、政府系金融機関との関係性構築なのか気になるところです。

特に、元々乳業系メーカーとの繋がりが強い企業が業界上位の同業傘下に入ることは、関連得意先企業(乳製品製造・加工メーカー)との取引を強化でき多くのメリットを享受できる訳です。しかし、一旦C&F側が丸和側から打診された経営統合を断っていた上で、複数社(佐川以外は不明)が提案した法的有効性のある買収対抗策を検討している提案してきた背景には、運送事業上のメリットより優先される事情があると見ており、最終的な統合後の企業統治方式を鑑みれば、自ずとその目的が見えてくるように思います。

編集人は、佐川HDがAZ丸和の約2倍の異常ともいえる価格(PBRで30倍以上)でホワイトナイト役を買って出た正確な理由は知る由もありませんが、DD(デューデリジェンス)の結果よりも重要なファクターがあるのだと考えています。それは、Amazon社が書籍・調剤に続いて日本で大きな成長性が見込める冷凍食品事業領域への参入戦略を検討しているとすれば、宅配ビジネススキーム(既存料金への影響を含む)が新たな段階に入っていることの証だからです。