オフィス鴻

TMS(自動配車)

2024年01月08日

運送事業者の利益を左右する要素に①トラックの輸送ルートやレーバースケジュールを決める配車業務、②営業活動(元請けと契約内容)が挙げられます。配車業務で自動配車システム(TMS;Transport Management System)導入を検討する場合、高度な最適化計算機能を備えている以外に、荷主・運行の特性、人手での微妙な修正業務を実現できるかなどの検証に失敗すると使いづらいシステムになる可能性が高く、設備投資以外にも業務の混乱など大きなリスクを負います。単に労働基準法、改善基準告示等に基づき貨物とトラックをマッチングする最適輸送ルート計算だけでは、トラックドライバーの能力・性格、貨物の性質、配車担当者の経験値(卸地・積地情報、渋滞等の道路交通情報、事故・故障など)を最大限活用することには相当の困難が予測されます。

一方で、配車業務を代替できない担当者のみに任せることは、運送会社にとって大きな経営リスクになります。例えば、ラストワンマイルのEC 配送では年間約50億個の宅配は、佐川・ヤマト・日本郵政等の大手数社と特積(路線)事業者、およびEC事業者(アマゾンなど)が行っていますが、走行データ学習型配車システムと呼ばれる実走行実績データから統計解析・学習から最適配車計画を立案する試みも進んでいます。ここでの課題は、ルート最適化アルゴリズムエンジンのKPIをどこにおくかでしょう。1日の配送件数(概ね120件前後)、稼働時間、再配達率、リードタイム、配送料水準(配送は無料ではありません)など、配車経験がまったくない従業員が仮に高い完成度の配車計画を立案・指示しても、トラブル時にドライバーから信頼される(または契約で縛り付ける)対応が出来なければ、いずれ必要車両台数・人員・委託先の確保に支障がでるからです。

当然、配送形態等でKPIの優先度は変わりますが、大手製造業の元請け以外では営業所ごとに必要な配車ノウハウは千差万別であり、配車担当者やドライバーの人間性さえも生成AIでアルゴリズム化できるシステムが今後開発されれば、中小事業者にも普及していくだろうと考えています。