オフィス鴻

入院病棟内の絆

2023年10月19日

入院期間が長くなると、休憩ルームでご同じ病棟・病室の患者さんと雑談を交わすことがあります。現在でも新型コロナ院内感染防止のため、移動できるエリアが限られており、編集人の場合は転倒事故防止のため、良くて看護師さんの付添い歩行、または車椅子移動に制限されているため、1日1~2回看護師さんの許可を得て気晴らしとリハビリを兼ねて30分程度の自由時間を過ごします。ちょっとした挨拶から始まり、お互いの病状や世間話をするだけでも精神的にとても楽になります。また、中には入院によるストレスが原因なのか、医師や看護師さんに無理難題や暴言に近い発言をしたり、院内ルールを守らない高齢の方も多いです。

現在でも、ある患者さんとは入院時などにSNSで連絡を取り合っていて、担当していた先生から現在の状況を教えて欲しいと言われるほど、意気投合しました。その方は悪性腫瘍の治療中に難病を併発していることがわかり、余命3ヶ月と告知されたそうです。その後、当該難病研究治療をしている別の大学病院で幹細胞移植治療を行い、リハビリ専門施設で約1年間過ごし、車椅子なしで杖を使った自力歩行ができるまで回復して、先日2年ぶりに自宅生活に戻られたとの嬉しい報告を頂きました。入院患者も千差万別で、基本的に個人的に深入りした話をすることは避けていますが、この方の場合は編集人とよく似た経緯(悪性腫瘍と極めて稀な難病の併発、余命宣告など)であったこと、業種は異なりますが仕事復帰への強い思いがお互いにあったことが、このご縁に繋がりました。

病気で入院治療をすることは誰しも経験しうることですが、病気治療で大切だと感じたのは、やはり本人の病気を治したいという強い意志であったり、ネガティブ思考に落ちらずに退院後にやりたいことを想像して治療に専念することなのかなと思います。もちろん、病院や主治医・入院時の担当医との相性もあるので一概には言えませんが、共に病気と闘う同士がいることは、仕事復帰への大きな原動力となるのだと感じます。