医療施設の老朽化
2025年03月16日
偶々なのかも知れませんが、編集人が難病治療のため通院・入院している大学病院が新病棟の建て替えを実施しています。おそらく東京オリンピック(1964年)以降に建設された病棟等が老朽化していることが一因とも考えられますが、それ以外にも医療関係者不足(国で診療報酬等の公定価格を設定しているため収益率が低い)への対応として新築するには多額の費用が必要とされます。また、老朽化している病棟よりは新築病棟で働きたいと思うのは普通だと思いますし、最新の医療器具・機器を揃えるだけでも多額の投資(敢えて投資としました)をする訳ですから、将来の経営見込みが立たなければ見送りして悪循環に陥る医療機関も少なくありません。
実際、編集人の通院・入院治療している大学病院も建築資材高騰などで当初建て直し計画が決まってから5年程遅れて工事が進められています。その他にも、医療人材不足や収益性向上のために病床数を約1割減らし、有料入院床を大幅に増やしました。他の大学病院の状況は1ヶ所しか判りませんが、その効果なのか1ヶ月以上の入院患者が少なくなり、また三次救急のためリハビリ病院への転院を積極的に進め医療崩壊を防止しているように思えます。編集人も今年1月に入院治療を受けましたが、入院当日にバスキャス(血漿交換治療用に経静脈を切開してカテーテルを挿入)を行い、本当に最短入院日数で効率的な治療を行って頂きました。
ただ、病床を埋めていかないと固定費を賄えない医療機関が存在するのも事実です。一部の病院では診療報酬が減額(1ヶ月以上の入院の場合)されても高齢患者で病床を埋めていることが行われてることも指摘されていると聞いたことがあります。また日本には限度額認定制度があり、収入に応じて保険適用分の自己負担額が数万円で済むことも多く、病院経営が悪化していくだけではなく国家財政の医療費抑制にもなるならば、やはり国民1人1人がもっと医療機関の実情を知った上で社会保険を利用するべきだと思います。