オフィス鴻

医薬品企業の供給責任

2023年10月10日

富士フィルム工業といえば、昭和時代にはフィルムメーカーとしての認識が強かったのですが、現在は化粧品・医療機器メーカーとして世界のトップクラス企業へと変貌を遂げています。事業の中心の1つに他試薬業者からの製造受託があり、医薬品製造の他にも治験(臨床試験薬)、生産プロセス開発、遺伝子組み換え技術など、フイルム製造(銀塩)、化粧品製造から、ヘルスケア・医療品といった成長分野へと軸足を移して事業入替と拡大に成功してきました。ただ、この分野は世界中の企業が競っており、競争環境も厳しいそうです。

また、バイオ医薬品とはヒトの免疫機能を応用した抗体医薬品を指し、正常な細胞を傷つけてしまう副作用が少ないそうで、編集人のような希少免疫疾患の患者には朗報ですが、まだまだ実用化までには高いハードルがあるようです。あるTVコマーシャル(最近は見かけませんが)に「たった1人の患者のための医薬品を作る」旨を謳う日本の医薬品製造企業がありました。新たな医薬品開発には多額の先行投資と、常に成功するとは限らないR&Dのため回収不能リスクを伴います。そこで同社が開発・導入したのが、これまでのバッチ単位製造方式から、一度に3倍の抗体量を生産できる連続生産方式だそうです。当然生産性が3倍になれば、単純生産コストは3割程度になりますから、医薬品受託製造の分野では効率性の面で世界トップクラスと言えそうです。

しかし、新型コロナ禍でのワクチン供給上の課題(海外依存度の高さ)が指摘され、日本国内がパニック状態になりました。現在はと言うと、オミクロン株から新たな変異株へと置き換わりつつあるそうで、最近の変異株は大人から子供への感染例も多いようです。また、副反応への一種の不信感を含めて各所でワクチンが余っていますが、最終的には当然使用期限を過ぎれば医療産業廃棄物として多額の税金で処理することになるのでしょう。

新型コロナに限らず、国内で今後発生しうるパンデミックに備える意味でもある程度までは優先的な供給体制が構築できればありがたいですね。