オフィス鴻

希少疾患治療薬の開発

2024年05月29日

今年3月に遠位型ミオパチーという難病治療薬「アセノベル」が、世界で初めて承認されたと報道されました。国内に300人ほどの患者がいるそうで、患者グループと東北大学医学部(神経内科)とが連携して採算があわないにもかかわらず、製薬メーカー(ノーベルファーマ社)を巻き込み治験での効果が確認され承認に至ったそうです。開発・承認まで紆余曲折があり約20年間を要したとのことですが、編集人の自己免疫疾患も患者数は日本では数十名が確認されているだけで、完解治療は確立されておらず、現在研究開発が進むゲノム系疾患治療薬などの使用で、特定の症状に対して効果がでる可能性を待っているところです。

実際に両上下肢の末端の筋力が徐々に落ちてきており、脳神経内科専門医でも原因の特定までで同種の疾患治療で有効と考えられる血液製剤・特殊な薬剤・血液浄化療法などで何とか現状より病状が進行しないための治療を続けています。この患者会の活動を20年以上続けた代表者の熱意はとても素晴らしいもので、「次世代に治療と言う希望を残したい」との思いは編集人が治療を受ける上でも基礎研究の重要性とともに常々感じているところです。また、東北大学の青木神経内科教授が「他の希少疾患のモデルケースになる」と評価、発言されたことで、難病と戦い続けている方の想い(こんなに高額な医療費がかかっているという自責の念、なぜ自分がという思い、周囲の方に迷惑を掛けたくないなど)が凝縮されているように感じます。

また、免疫阻害薬の一種で特定のがんに対して効果のある「オブジーボ」も保険適用範囲が拡大される見込みだそうで、高額な先進医療費(数百万円~数千万円と言われています)を工面するために募金やクラウドファンディングすることや、治療自体をあきらめることも無くなるのかもしれません。幸い編集人はまだ多少は自力で動くことができますので、少しでも筋力が落ちないよう、また精神的に不安定にならないよう、ほぼ毎日パソコンでのブログ更新や電子書籍出版などで社会とのかかわりを極力持つようにしています。