オフィス鴻

生涯医療費と社会保障

2023年10月21日

先般(6月)、居住している自治体から送付されてきた資料に、国民1人当たりの医療費が35万円(平均寿命が85歳として、1年で約33万円)とありました。令和2年度はコロナ禍の受診控え影響で微減したものの、生活習慣病の増加、医療技術の高度化、高齢者の増加などを背景に再び増加傾向にあるそうです。また、厚労省推計では日本人1人が一生に係る医療費総額は28百万円(入院10回、通院1,000回)だそうですが、殆ど通院・服薬・入院しない方を含めての数字ですから、医療保険財政が苦しくなり、保険料が増加することも容易に想像できます。

編集人は、入院時に必ずレセプト(診療明細報告書)を確認していますが、やはり入院費は数十~数百万円単位に上るので、主治医の指示を守って治療・服薬(ジェネリック)することで、少しでも医療費が減るよう心がけています。また、コロナの第3波頃から救急車出動要請や保健所の電話対応、医療機関での受診がパンクしたとの報道が盛んにありましたが、救急車から病院への搬送依頼連絡をいれてもたらいまわしされ、数時間待機しても搬送できない、救急外来対応病院でこれも数時間救急車が並ぶなど、心に余裕がなくなった患者やその家族から聞くに堪えないような罵言・暴言を医療関係者や食事・休憩時間のない救急隊員に浴びせられるなど、人間性を疑いたくなるような事態もたくさん起こりましたね。

その他にも、医師法の応召義務(患者の受診を断ることは、専門外などの理由を除き原則できない)であったり、院内クラスター(編集人も大学病院入院中にオミクロン株に罹患しました)への対応など、医師・看護師を始めとした医療従事者の葛藤と奮闘はどれほどのものであったのか、新型コロナが5月8日から第5類に変更されて以降も私たちは決して忘れてはならないと思います。