オフィス鴻

難病と共存すること

2023年10月17日

「逆境は飛躍のチャンス」と言われますが、自分が考えている数倍相当の努力・我慢をしない限り新しいコミュニティに後から加わるこは簡単出来ないと思います。転職にせよ、移住にせよ、すでにそこには何らかのルールが存在しており、簡単には歓迎されないことを覚悟しておくべきでしょう。所属企業の看板(社名、肩書など)が外れてからが本当の意味で自分の価値を知る機会が訪れる方も多いと聞きますが、編集人も休職期間満了で退職して半年が経過して感じるのは、「難病(難題)との共存」は避けて通ることができない大きな壁だということです。その上で、少しずつではありますが「第二の人生」をどのように切り開き過ごしていくのか、チャンスの種をどう育てていくのか日々活動を始めているところです。

いま一番感じているのは、障害によるハンディキャップを克服したり共存すること以上に必要なのは「時間あたりの提供価値」を高めていくためのコミュニケーション能力だと思っています。ここで言う提供価値とは、これまでの知識や経験を活かすこと、自分では気づいていない他者にとって有益な情報を提供すること、自分のファンを見つけること、クリエイティブで自分が楽しめるような時間の使い方をすること、そして何よりも他人から信頼してもらえることだと考えています。通院・入院で年間3ヶ月分くらいの時間が必要ですから、時間的制約を超えて無理に難題と対峙していくことは現実的ではなく、また自分自身の性格から生活のためだけに時間を切り売りすることは、生活に窮したときの本当に最後の選択肢だと考えています。

中国には「人間万事塞翁が馬」という諺があります。難病を通じてさまざまな方の優しさと恩を知り、ここまで来られたのも、祖先から続く陽徳・陰徳の賜物だと思っています。家族には自分の今後の希望は全て伝えてありますので、あとは他人の心を傷つけることなく後悔しないよう1日1日を大切に生きていくことが、これまでお世話になった方々への今の自分にできる最大の恩返しだと考えて日々過ごしています。