オフィス鴻

高度救急医療の利用

2024年05月30日

医師の働き方改革が声高に叫ばれていますが、厚生労働省の医療施設調査は昭和23年(1948年)から「病院及び診療所(以下「医療施設」という。)について、その分布及び整備の実態を明らかにするとともに、医療施設の診療機能を把握し、医療行政の基礎資料を得る。」ことを目的としているとあります。その中には、医療施設より提出される開設・廃止等の申請・届出に基づく「医療施設動態調査」と、全医療施設の詳細な実態を把握することを目的とした「医療施設静態調査」の二種類があり3年毎に実施されているそうです。収集された基礎データは、医療計画(医療計画作成指針)、子ども・子育てビジョン数値目標、看護職員需給見通し、そして社会保障審議会医療部会など医療行政資料として多岐にわたって活用がされているそうです。

直近では、コロナ禍やマイナンバー保険証導入など医療に関わる大きな環境変化があり、編集人にはその傾向分析をするだけの能力はありません。あくまでざっくりとした数字ですが、全国の医療施設は約18万施設(日本人700人に1施設の割合)で、一般診療所とよばれる病床19以下の施設が徐々に増加している傾向にあるといいます。政府は「かかりつけ医」、「かかりつけ薬剤師」、「オンライン診療」の普及施策などとともに、救急指定病院(一次・二次・三次救急)に紹介状のない比較的軽症の患者が集中しないよう「選定療養費」の値上げを認めています。また、より高度な救命救急医療を行うための三次救急医療機関である救命救急センター・高度救命救急センターは全国に約300か所あり、ドクターヘリを運行している医療機関も含まれています。

なお、日本の医療制度は、誰もが高度な診療・治療を受けられる世界に誇れるものといわれていますが、令和5年度予算では日本の社会保障給付費(約134兆円;年金50%・医療30%)の国庫負担は一般会計歳出約30兆円と社会保障費全体の約50%を占め、今後も増加傾向が続くと言われています。救急車要請の適正利用も含め、国民1人1人の意識を変えるべき時期にあるのかも知れませんね。