オフィス鴻

今昔「酒は百薬の長」

2023年12月07日

徒然草には「百薬の長とは言えど、万の病は酒よりこそ起これ(多くの病気は酒から起こっている)」という兼好法師(吉田兼好)の一節があります。しかし、最近の医学研究では少量のアルコールでも健康を害することが世界での常識となりつつあるようです。編集人もお酒は大好きですが、30歳代のころに比べてアルコール摂取量は数%程度まで減りました。最近は、お酒を主治医の了解を得た範囲以下で嗜んでおり、毎日飲酒したくはなりませんが、退院後2~3日目に飲むお酒は格別に美味しく感じられます(一方で、工業的に醸造されたアルコールは匂いが鼻につきます)。

ちなみに、1日に摂取する純アルコール量はビール中瓶1本分(約20g)が上限と言われていますが、ストロング系チューハイ(アルコール度数9%、350mg)1本で25.2gにもなるので、飲むときにはいつも以上に注意が必要です。また男女差や体質(遺伝的なもの)も影響しており、大量飲酒の習慣がある人(毎日日本酒3合以上、約80g相当)は癌や肝臓、膵臓の疾病リスクが数倍から50倍以上高くなるとの研究結果もあるようです。

また、生活や文化的な側面から1つのコミュニケーション手段としてお酒の効用があることは知られていますが、医学的には否定される傾向にあるようで、人に迷惑を掛けない適量の飲酒であれば百薬の長とする考え方は、これからは通用しない時代になってくるということでしょうか。ヨーロッパには「Wine is panacea of all ill.(ワインはすべての病気の万能薬である)」という諺があるそうですが、お酒好きには主治医からいきなり明日から禁酒と言われるよりは、飲酒のリスクを知ったうえでアルコールと向き合っていきましょう(簡単に言えば、適量(定義はひとそれぞれ)ならばOK)と言われた方がショックは少ないですね。医師の立場では、どの位までなら飲んでも大丈夫とは言えないでしょうから、日頃から自分の体調を考えた飲酒、飲まない時の判断、加齢に伴う身体の変化と向き合った減酒を取り入れていきたいと思います。