オフィス鴻

偽ブランド海産物

2023年09月27日

日本各地には、その土地でしか味わえない名物がたくさんあります。しかし、せっかく注文した料理に正規の食材が使用されていなとしたら、余程の知識がない限りその違いに気付くことは少ないでしょう。そもそも、希少性が高くその土地でしか獲れない魚などは、流通と鮮度の関係から料理店との直接契約に拘ったり、地元の食堂で限定的に提供されることが殆どです。

また、最近は養殖技術の進化で天然物より美味しいと言われる養殖魚もたくさん見かけます。一例ですが、鹿児島県錦江湾にある垂水漁協が「海の桜勘(うみのおうかん)」として養殖した桜勘カンパチは、えさ(配合飼料)に鹿児島県産のお茶が配合され魚臭さがなくなり、身質の透明感が増しています。漁協が資源・品質管理までブランド管理を行い、開発当時から安心・安全な食としてトレーサビリティ(履歴追跡:調達・加工・生産・流通・販売・廃棄などの履歴情報)化が進められ「かごしまのさかな」として初のブランド認定を受けました。一般のハマチ・ブリは苦手な編集人も、特有の魚油臭がなく、全く別物に感じたくらいです。そのほか、日本海に突き出た丹後半島にある「間人(たいざ)漁港」のズワイガニは、味や品質などで最上級の「間人ガニ」として専用のブランドタグが付けられ、大衆魚であったサバ・アジを豊後水道で1本釣りしたものに限り「豊後サバ・アジ」としてシールを付けて数倍の価格で流通しています。いずれも共通しているのは水質の良い地域であることです。

しかし、まじめに取り組んでいる事業者がいる一方で、近年では実は中国から輸入されたアサリを一定期間熊本の海岸で育て、熊本産として市場に流通させていたことが問題になりましたね。同じような話は以前からよく聞くのですが、東京湾の「黄金アジ」は提供量に比べて漁獲量が少なく、また毎日獲れるとは限りません。いずれも、素人がわからないことを良いことに商売する輩は地元でも問題視されています。本当に美味しい食材と調理が出来れば偽ブランド品など使わずとも、多くのお客様が来店される飲食店は沢山あります。自分自身の味覚を磨けば、美味しい料理との出会いも増えるでしょう。