オフィス鴻

調味料と食品ロス

2024年05月22日

赤いパンダの入れ物が目を引く大手加工食品・医薬品製造事業者が販売するうまみ成分の入った調味料について、昭和時代から身体に良くないとか様々な意見があります。また、編集人が親の生まれ故郷に帰ると、必ずお新香に白色のうま味調味料が使われていました。編集人も1年間だけ当該メーカーの配送業務に従事していましたが、メイン工場に入ると天然のサトウキビを加工工程や、樽に入れられた味液(液体調味料)から出る強烈なにおいがしていました。また納品先も多岐にわたり、こんな商品にも使われているのかとある種の驚きを覚えたものです。その他、東南アジア地域では店頭で小袋に入ったうま味調味料がたくさん店頭に吊り下げられていたことを思い出しました。

ここではうま味調味料に対する意見や評価をしたい訳ではなく、使い方次第では少量のグルタミン酸などと原材料の相乗効果で短時間の調理でも美味しくなることが期待できることにあります。共働き世帯が増え続ける中で、時短調理が可能なうま味調味料を賢く使えば、塩分の取りすぎを抑制する効果もあることでしょう。そして多数の食品添加剤(防腐剤、着色料など)を使った加工食品が無ければ現代の食生活(特に外食・内食)が成り立たないという事実にも目を向けるべきだと思います。

農林水産省の資料では食料自給率が実質30%程度と横ばい傾向にあり海外からの多くの食品輸入に頼る日本では、流通環境や保存設備、加工施設などのインフラが整っていながらも年間約600万トン(1人1日あたりごはん茶碗1杯分に相当)もの食品ロスがあることは食料安全保障上からも大きなリスクでしょう。なお、事業系食品ロスはスーパーマーケットやコンビニエンスストアなど小売店での売れ残りや返品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品といったもので、家庭系食品ロスは家での料理の作り過ぎによる食べ残しや、買ったのに使わずに捨ててしまうことなどが挙げられており、消費者の意識変化次第ではうま味調味料などを活用することで減少する可能性があるのかもしれませんね。