「世界のベストレストラン５０」で５度の世界１位を獲得、ミシュラン３つ星のコペンハーゲンのレストラン「ノーマ（noma）」が２０２４年に閉店、２０２５年から研究開発に軸足を移しつつ、世界各地で「シーズン」と呼ばれる期間限定営業を行うことにしたそうです。日本では、エースホテル京都で日本食材を用いた期間限定メニュー（１人１２万円前後）が５月に１００名のスタッフにより提供されました。

元々、北欧産の食材を使ったニュー・ノルディック・キュイジーヌ（新北欧料理）スタイルで脚光を浴び、ローカルにフォーカスしたメニュー開発に注力、世界各地でもその土地の食材（地産地消、調味料など）にこだわっているそうです。ただし、閉店理由の１つに「It’s unsustainable.（持続不可能）」な労働問題があったとも伝えられています。創造性が必要な料理の提供には極限まで考え抜かれた拘りを表現するために多くの人手が欠かせないそうで、世界中から研修生（その後の料理人人生のキャリアで有利に働く有名店での経歴を得たいため、原則無給）で受け入れたり、法定時間を超過した労働環境の常態化も、高級飲食店に共通する構造的課題（労働集約型産業）だそうです。

編集人には遥か彼方の世界の話ですが、日本でも漁業や農業の活性化に向けた新しい試みを厭わない取り組みに対して、利権の介在余地がない投資案件がが増加すれば、もっと日本の魅力（日本食文化）を世界に発信できる可能性を感じますね。ただ一つ、福島県（浜通り地区）と縁の深い編集人ですが、原発処理水放出に対して、根拠のない風評被害が拡がらないことを祈ります。