オフィス鴻

SNS投稿と飲食業

2024年05月27日

最近は、SNS媒体やミシュランガイドなどから飲食店を探して食事することも普通になりましたね。東京は世界一の美食の宝庫ともいわれ多くの飲食店がありますが、取材や掲載等を認めていないお店もたくさんあります。その多くが一見のお客様が増えることで、それまで常連として通ってくださっていたお客様の予約が入りずらくなったり、店主が大切にしているお店の雰囲気・料理・サービス等が全く違うものになることを懸念しているためだとも言われています。つまり、客層ががらりと変わると食事そのものや店員とのコミュニケーションを楽しみにして来店してくれると言うよりも、写真撮影が主となって作り手側のシェフの料理やお店に対する愛情が伝わらないというビジネス視点とは異なる点で違和感や歯痒さをを感じているように思います。

もちろん店員さんの許可を取ってから撮影するならばまず問題は起きません。ただ、お店に相応しくない服装(ドレスコード)・振舞(マナー)であったりすれば、いくら予約して来店したお客さまであったとしても他のお客様の貴重な時間をも台無しにする恐れがありますし、投稿画像に他のお客様が映り込んでしまえばプライバシー保護の問題も起こります。そして何よりも心を込めて作った料理を美味しく召し上がっていただきたいというお店側のおもてなしの心を蔑ろにするような行為は、SNSなどへの非常識な投稿でトラブルに発展する可能性が高いとも言えます。

また、和食・洋食・中華など料理分野に関係なく、フロアスタッフは常に複数のお客様の食事の進み具合を見ながらシェフと食事を提供するタイミングを調整しています。そこには高級店に限らずそれぞれのプライドがあって経営していますから、最初は普通のお客の1人として自然体で食事を楽しむことからスタートして、2回目・3回目あたりで何となくお店の方と相性が良くなってきたと感じた時点で撮影許可などを頂くのがマナーのように思います。もちろん人それぞれの考え方があること自体は否定しませんが、自分勝手・我儘が過ぎないよう気を付けたいものですね。