日本酒の魅力(利酒師)
2023年12月02日
日本酒製造には、伝統文化としての宗教行事で少量生産される販売を目的としないものを除き、酒税法第7条に基づいて酒類製造免許を税務署から受ける必要があります。日本酒の製造方法は、簡単に言えば米(醸造用玄米、酒米)、米麹、仕込み水を原料として、製麹(麹菌)と酒母を混ぜ合わせてアルコール発酵させ、濾過・火入れ・貯蔵(低温熟成など)を経て出荷・流通に至り消費者へと届けられます。また、「生酛」や「山廃」、「中取り」「あらばしり」「責め」などがあり、それぞれの個性的な味わいを楽しむことができます。
編集人は利き酒師資格を有していますが、これは料飲店・販売店向けのものです。特段の深い専門知識や料理経験は未熟ですが、各地の酒蔵に仕入先(飲食店)を通じてお伺いして、普段は非公開の建物(旧酒税鑑定用の蔵)などで、研究中のお酒を試飲させて頂くことが幾度もありました。また、個人的な酒米の嗜好は、愛山(十四代、上喜元)、雄町、美山錦がお気に入りで、有名な山田錦や五百万石を使用したものにも特有の味わい深さを感じることができます。そのほか、特殊な機械(岡山県)を使った真正純米と呼ばれる酒米の心白(概ね精米歩合が30%以下)だけを使用したお酒や数年低温熟成したものもあり、その奥深さにどっぷりとはまっています。
また、敢えて純米酒に醸造アルコールを少量加えること(通称「アル添」)で、香りや味わいなどを調整することも行われますし、最近のしっかりと温度管理ができる物流・流通網整備のおかげで、酒蔵まで足を運ばなくても色々なタイプの日本酒を料飲店で楽しむことが出来るようになりました。ただ、飲みすぎには十分注意しています。