のれんの定額償却
2026年01月23日
のれん償却に関して、日本国内でも様々意見があります。M&Aは事業拡大・利益拡大を齎す手法ではあるものの、償却会計の下では毎年利益を少なくする方向で作用しているのです。企業経営においては持続性が重要であり、仮に一時的であったとしても特に上場企業であれば経営陣にとって株主からの圧力が強まることを意味しています。投資家にとっては複数の会計基準が存在することは、比較対象面や会計の意図的操作等によって大きな問題であると考えられています。もう1つは監査法人等から意見書が発行されないことで、企業体質・経営に多大な営業を与えることも知られています。
それではM&Aが勧められる理由を、もう一度原点に戻って考えていきたいと思います。まず「正ののれん」とは、企業買収(M&A)において買収価格が企業の純資産を上回る際に生じる無形の価値を指します。具体的には企業のブランド力・技術力・顧客などのことで、将来の収益性に寄与する要素として会計上無形固定資産として計上され、最長20年間の減価償却対象となります。つまり将来的に得られる利益的価値を現在の企業価値に加算したものであり、将来確実に得られる資産であるとは限りません。そこにM&Aにおける様々な思惑が絡んでくるため、売却価格交渉が複雑化します。
つぎに「負ののれん」とはのれんが収先の貸借対照表には載っていない簿外資産であると考えれば、買収後に会社の価値を毀損するリスクの方が大きい場合に純資産から差し引いて買収金額を算定する必要があるものです。特に中小企業では、債務保証(他社または他人の債務に対する連帯保証)・デリバティブ(金融派生商品の含み損)・未払い給与・退職金(退職給付引当金や役員退職慰労引当金)などが適切に計上されていない場合があることです。もちろん全てのM&A候補先に当てはまる訳ではないのですが、金銭的な理由から事業譲渡を考えているとすれば大きなリスクだと考えられていますね。



