オフィス鴻

アメリカのカード延滞問題

2024年10月12日

今年8月、急激なドル高・円安および投機的株式取引(信用取引の追証)などが主原因となって物価上昇に拍車がっかっていましたが、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が9月に0.5%の利下げを発表しました。一方で、過熱気味の消費者信用残高(カードリボ払い等による残高)において学費・自動車ローン等のクレジットカード支払い延滞が増加していると報道されています。実際には消費者借入能力が限界に近付いて今後の消費に与える影響が大きくなると予測され、実際に生成AI関連企業でも破綻事業者も増加するなど、大統領選の最中ですが一種のバブル崩壊に似た経済状態とも考えられそうです。

日本銀行も物価上昇に合わせる形で短期プライムレート等を引き上げましたが、コロナ禍による過剰融資(返済計画の曖昧な繋ぎ)の延滞・リスケ・返済不能は今後も税金で補填されていきます。事業継続困難に陥る企業・個人事業主も増加傾向にあります。特に、個人事業主等はカード・キャッシングでその場を凌げても結局は支払利息が増え、運営資金の自転車操業を繰り返しながら自己破産するケースも考えられます。あくまで一般論ですが、決算書(損益計算書・貸借対照表)は金融機関等に融資を申し込む際に重点的にチェックしており、ROA(リターン・オン・アセット;経常利益÷総資産)が概ね5%を超えていれば、決算書の改ざんが行われていなければクリアできるとも言われています。

当たり前のことですが、債権の支払いが遅れれば督促が行われます。言葉にすれば、売掛回転日数が長いほど未回収債権化するリスクは高く、また過剰在庫は販売できなければ資金化できませんので、場合によっては資産価値の目減り分の減損処理を進める必要性に迫られます。しかし日本の優良企業は海外への長期投資が実を結び、海外子会社からの配当等により好業績を維持していいますが、今後はアメリカの消費動向が影響することも考えられます。