イグ・ノーベル賞
2025年12月22日
イグ・ノーベル賞とは、人々に笑いを伝え考えさせる研究に対してノーベル賞受賞者を含むハーバード大学・マサチューセッツ工科大学の教授らによって自選・他選を含む書類選考を通過した研究の中から、毎年10程度贈呈されるものです。今年はアメリカボストン大学で、日本人が研究した「牛の縞模様が虫除けに効果がある」というテーマが生物学賞に選ばれました。これで同賞では19年連続で日本人の研究結果が評価されたことになります。受賞者である児島氏は今後の研究の大きなモチベーションになりますと語っていたといいますから、日本の研究内容の優秀さ感じます。
今回の研究テーマでは「シマウマのようなしま模様を書いた牛がハエに刺されないようになるかを調べた研究」とされ、具体的には黒毛の牛に白いスプレーでしま模様を描き比較対象したそうです。その結果、しま模様を描いた牛には吸血昆虫を50%程度近づけないことが認められ、牛の痛みやかゆみのストレスを減らすと言ったプラス作用が期待されると言います。これまで同賞の日本人受賞者は1991年に開始されてから35回目となり、日本人の基礎研究に対する真摯さと重みが伝わってきます。良くノーベル賞と比較されがちですが、そもそものコンセプトが異なることは明確ですね。
ちなみに日本人のノーベル賞受賞者は、物理学賞で9名(湯川秀樹氏、朝永振一郎氏、江崎玲於奈氏、小柴昌俊氏、小林誠氏・益川敏英氏、赤崎勇氏・天野浩氏・梶田隆章氏)、科学省で8名(福井謙一氏、白川英樹氏、野依良治氏、田中耕一氏、下村脩氏、根岸英一氏・鈴木章氏、吉野彰氏)、生理学賞・医学賞では6名(利根川進氏、山中伸弥氏、大村智氏、大隅良典氏、本庶佑氏、坂口志文氏)、文学賞で2名(川端康成氏、大江健三郎氏)、平和賞で1名・1団体(佐藤栄作氏、日本原水爆被害者団体協議会)と非常に素晴らしい業績を上げられた方々がいらっしゃいますね。



