オフィス鴻

ワークライフバランス

2023年12月22日

日本には新嘗祭(にいなめさい)の祭祀に由来する勤労感謝の日と言う祝日があります。収穫された新穀を神様に奉ってその恵みに感謝する宮中恒例祭典の中でも最も重要なものとされています。法律上は、勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあうという趣旨で制定された国民の祝日になりますが、近年は農業での五穀豊穣祈願等から企業で勤務される方が増えて全ての働く人に感謝する日とするのが一般的なようです。しかし、実際には「ワークライフバランス」と言われる働く人の幸福度が上がらなければ単なる祝日に過ぎません。例えば過度な労働により身体・精神の健康に悪影響を及ぼすようでは、労働と私生活のバランスをとって行くことは質の高い生活を送ることが出来ないでしょう。

海外の企業には、日本にはない企業が提供している様々な制度があります。アメリカでは、病気や怪我、家族の介護などで有給休暇を使ってしまった従業員に仲間が自分の有給休暇を譲渡する制度や、従業員が自宅と勤務地を自由に選択できる企業もあるそうです。そのほかにも、年間1千ドル相当の旅行費用を負担したり、サバティカル制度と呼ばれる4年ごとに1ヶ月の有給休暇を取得できる企業があるなど、多くの日本企業が人手不足により従業員が生活スタイルを楽しむ時間が少ないなかで非常に羨ましい限りです。ただし、日本と海外諸国の労働法制や健康保険制度が異なることなども考慮すれば、日本人の労働に対する考え方を再考する良い機会ではないでしょうか。

また、東洋経済の記事に日本には50歳以上で自分の人生を変えたいと思っている人材しか採用しない企業のことが掲載されていました。その主旨は、5年程度は些細な日々の習慣を続けていくことで成功体験を得ることができると自信を持てるのだと言います。もう一つ、失敗自体が次の成功に必要なノウハウであり、無理ない範囲で次の目標に取り組むそうです。つまり、人が見ていなくても自分を変えたいという意志があれば、自然と周囲に対する感謝が生まれ、他者から認めてもらえるチャンスがあるのだと感じます。