三大紡績会社
2025年02月22日
日本の近代産業を支えてきた「三大紡績御三家」であったユニチカ社(旧尼崎貿易)が明示22年に設立して以来、祖業である繊維事業がら撤退することを発表しました。1970年代には高品質・低価格の日本製繊維がアメリカ市場を席巻して、当時の対商通商法により日米貿易摩擦を引き起こしたことを思い出します。その後も、日米間では自動車・テレビ・牛肉・ハイテク機器などが対象とされ、多くの商品で日本側が自主規制を打ち出しました。ユニチカ社の祖業である繊維産業は高度成長期を支えた重要な産業でしたが、現在では高分子化学品事業(ナイロンフィルム等)の売上(全体の50%)が利益を生み出しており、売り上げの約25%を占める繊維事業から撤退をすることになりました。
コロナ禍では防疫用医療服等で一時的に黒字化したものの、約2万社の下請け・孫請け事業者の経営に与える影響は大きいものと予測されます。金融機関に対しても債権放棄を要請したようですから、不退転の覚悟で事業リストラに乗り出したわけであり、従業員・取引先との関係もこれから再建スキームが組み立てられるようです。同社のHPからは様々な事業展開によって利益構造を改革する取り組みが行われていることが読み取れますが、富士フィルム工業(以前はカメラフィルム関係の会社でした)社のように既存の知的財産を活用した新ビジネス事業が成功するかどうかは、今のところ当該者以外には判断がつかないように思います。
編集人も企業の倒産をいくつも見てきましたが、その過程ではほぼ全ての企業で人的リストラが行われています。今回も恐らく中高年層(40~50歳代)の比較的収入の高い層が狙い撃ちされることが想定され、まだ住宅ローン・子供の進学費用等を抱えた世代が新たな世界へと乗り出すことになるでしょう。更に、高齢の親の介護が重なれば新たな職業にチャレンジすることより、現在の収入にできるだけ近い転職を進めていくことになります。既に還暦を過ぎた編集人ですが、他人ごとには思えません。