オフィス鴻

下請体質からの脱却

2024年07月12日

最近、年収の高い企業の代表格としてと「キーエンス」と「日本M&Aセンター」が取り上げられる機会が多くなりました。まずキーエンスのHPから引用しますが、センサ・変位計、画像処理、PLC(自動制御機器)、タッチパネル、バーコード、マイクロスコープ、計測器、マーキング機器などの商品製造販売を行う企業とあります。しかし、そのサービスは他社でも行っているのに、なぜキーエンスは高給を得ることができるのか、そこには顧客ニーズの本質となる背景を推測して、その背後にある本当の目的(ニーズの真因と背景)を捉えていく営業スタイル(働き方)が顧客の目的に合致するため、価格競争に落ちらないためと言われています。

つぎに、日本M&AセンターのHPでは全国の会計事務所や金融機関と提携し構築してきた業界最大級のネットワークを有し、M&A仲介だけでなく、戦略策定から最適な企業評価、PMI(買収後の経営統合)やファンドによる支援など、専門性と業務品質の高いサービスを提供しているとあります。また日本には400万社超の企業があり、そのうち99%以上が中小企業であると言われていますが、後継者難や資金繰り等に苦戦する中小企業の中にも、高い技術力や売上高・利益を含む高収益を上げている企業が存在しています。その観点では労働人口が減少していく日本で、これらの中小企業が合従連衡していくことは国家として意味のある政策だと思います。一方、保有株式の価値・所有などが相続・贈与等で高額な税金が課されたり、事業継続に影響を及ぼすこともあることから、買主は売主開示情報・DDなどの情報が正しいことを保証する表明保証保険を無償で付与しているそうです。

最終的には、事業継承ができない企業が競争から脱落していることは経済原則(自然の理)ですから、少なくとも一定の利益を確保しながら企業価値を高めていくには、下請け的な業務体質からの脱却を経営者が図って社内に浸透させていくことが必要で、その最も重要な点は他社との利益構造の差別化であるように思います。