中央教育審議会
2026年01月26日
文部科学省が大学の学部・修士課程を一貫教育と併せて5年間で終了できる新制度案を中央教育審議会部会に示したことが、共同通信等の報道で明らかになりました。その目的を文部科学省は海外では修士過程を経て経営者等として活躍する人材が多い毎を挙げており、同時に国際的に活躍できる専門性の高い人材を育成することとしています。実際に現行制度との整合性を鑑みれば今後2年程度の猶予期間を設けられると考えられますが、その前に修士・博士号取得者に対する日本政府の手厚い支援がなければアメリカ等に人材が流出することは避けられないと考えている編集人です。
少し穿った見方をすると現在大学・大学院経営で恒常的に黒字化できている教育機関は少なく、海外からの留学生受け入れや統合などで経営を存続している状況があります。昨年ノーベル賞を受賞した2氏も海外で研究を続けていた状況であり、数だけではない学問の本質的な部分にも目を向けるべきでしょう。一例では中国では毎年1,000万人以上が大学・大学院を卒業しているものの、景気後退によって就職先がない事態であると報道されています。過去日本でも修士・博士の就職先(ポスト)がないことや、就職難から逃れるために大学院に進学する時代もありました。
少し古いデータで現在の賃上げ傾向と異なることは承知の上で、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によれば、大学院修士課程修了者の初任給は約27万円とあります。また生涯年収では大学卒(学士)と比べて生涯年収が4,000万円高い3億4千万円程度であり、1年間の収入に換算すれば年収850万円程度だと考えられます。因みに大卒では同670万円程度となりますから、学んできた価値は日本国内では相応に評価されているようです。結局は何を学んだのかではなく、何のために学んだことを活かすのかと言った視点が不足していれば、ミスマッチが起きるのも当然でしょう。



