人気外食チェーンの戦略
2023年12月08日
ファミリー向けの焼き肉食べ放題専門店「焼肉きんぐ」が、国内に300店舗以上あるそうです。2007年に1号店をオープンして以来、現在は牛角に次ぐ規模のチェーン店へと発展してきましたが、家族4名で1万円をコンセプトにタッチパネル方式での注文と席までの配膳など、ファミリー層(特に子供連れの母親)に支持されているそうです。編集人の学生時代にも時間制食べ放題の焼き肉店はありましたが、売れ残りや価値の低い部位などが殆どで美味しくなかった印象が強く残っています。
各店舗では「SarVi(愛称みーと)」という配膳ロボットにこれまでの配膳サービスを担当させ、スタッフには「焼肉ポリス」という美味しい食べ方をおせっかいにも伝授するという役割分担(サービス価値)をしながら、お客様の不満を1つづつ解消していく姿勢は、「ビジネスとは不便を解消すること(ピーター・ドラッガー)」との思考に通じるものがあります。また、食材原価率が40%を超える(通常は30%以内が損益分岐点)ので、お客様視点ではお得感(コスパ)がある一方で、原材料費の高騰、拡大・維持に必要な優秀な人材の不足、そして客単価より客数を増やすことに重点を置いているためか、予約がとれない、行列が絶えないことも多いようです。
HPでは編集人の自宅の近くに1店舗だけあるようですが、まだ行ったことはありません。今のところメニューや味付けに変化を加えたり、「食べ放題」「こども半額、幼児無料」などの仕掛けが奏効しているようですが、今後さらに多店舗化を進めていくと、特別感がお客さまにとって当たり前になる(飽きる)、先程の人材確保やカニバリゼーション(自社競合)の問題などをクリアする必要があり、トリドール社(丸亀製麺)のように別業態や海外への進出もあるように感じています。