オフィス鴻

他社・他人を褒める

2024年04月05日

社会生活を送るうえで、取引先や他人と共存していくためにある程度の妥協点を見極めて行動する必要がでてきます。特に言動は時には無意識のうちに暴力的圧力(最近のハラスメントとは少し異なる部分はあります)を含むこともあるので、他社・他人との比較、人格否定、必要以上に責任を問い詰めること等はお互いの関係性・信頼関係醸成を妨げることに繋がります。また最近は学生や転職者の希望就職先の上位にコンサルタントが挙げられますが、多くのコンサルティング企業が乱立していて玉石混合の感があり、最終的なゴール(成果)を依頼者側の責任にしてクロージングするケースも多く、かえって社内組織・人間関係を悪化させる原因となることも少なくありません。

優秀なコンサルタントは、「話のテーマを明確にすること」「曖昧で感情的な表現は極力さけること」「結論はファクト(事実)をベースとして導くこと」の能力に長けるよう教育されているのですが、現場の実情を知らなかったり、委託側(主に経営トップ層)の意図を十分に理解できていないことも多々あります。またレベルの低いコンサルタントほど「A goal is a dream with a deadline(目標は締め切りのある夢である)」というナポレオン・ヒル氏の言葉とは程遠い提言や成果物を現場に無理強いすることで自分自身を正当化させることが多いという経験を何度も目の当たりにしてきました。

なお、表題の「褒める勇気」とは、他社や他人との違いを客観的に比較して自社・自身の足りない点を省みて行動・言動を変えることを意味しています。そのためには、「誰に向けて何を解決するのか」「一回で理解できる内容か」「行動基準の決定」という情報の伝え方がキーファクターだと考えていて、さらに人間性涵養や深い専門性に基づいて相手に興味を持ってもらうための指向性があれば、例え競合・競争相手であろうとも優れた点は褒める(認める)ことで己自身を更なる高みに導くことができると考えています。