オフィス鴻

令和5年度東大祝辞(要約1)

2023年04月15日

グローバルファンド馬渕俊介氏の祝辞から一部抜粋・要約しました。編集人の至らない点はご容赦ください。

入学時の受験戦争からの解放感、新しい学生生活を始めるわくわく感は今もよく覚えています。同時に、大学の4年間は「自分で創り、自分で切り拓く、自分の人生」のスタート地点です。そしてこれからの皆さんの人生の中で、一番自由に、自分の器を広げ、自分の夢を探して突き進める時期でもあります。私は東大卒業後、発展途上国を日本の立場から支援する、世界の貧困や感染症に立ち向かう仕事などをしてきました。この機会に、私が皆さんより少し人生を先に生きてきて、とても大事だと感じていること、大学に入るときに知っておきたかったと思うことを、2つのお話しを通して共有したいと思います。一つは「夢」について。もう一つは「経験」についてです。

私は、東大に入るときにはっきり決めていたのは、大学の4年間で、人生をかけて取り組むことを決めたいということでした。興味が湧いた授業をすべて試してみる中で、文化人類学の授業でパプアニューギニアの先住民のギサロという儀礼を見たんですね。それからすべての学校の休みを使って、途上国を一人で旅しまくりました。でもそこで見たのは、子どもが病気になっても医者も薬もない状況、毎日の重労働と日焼け、栄養不足でおばあさんのような顔をしている若いお母さん、地域に根深く残る差別から仕事の機会がなくて、くすぶっている同年代の若者など、美しい洗練された文化の裏にある、多くの理不尽でした。人々が自分たちの文化に誇りを持ちながら、理不尽と戦って、病気に命や可能性を奪われずに人生を生きられる、そのサポートをしたいと思うようになりました。大学時代に抱いたこの夢は、その後のキャリアの中で徐々に形になって、今も続いています。

令和5年度東京大学学部入学式 祝辞(グローバルファンド 保健システム及びパンデミック対策部長 馬渕 俊介 様) | 東京大学 (u-tokyo.ac.jp)