オフィス鴻

個人事業主の開廃業

2024年08月18日

年代を問わず働き方の多様化が本格的に広まってきました。インボイス問題を諸端として個人事業主・合同会社(2006年の会社法改正で有限会社に替わる法人)を新たに設立された方も多いでしょう。株式会社では「所有と経営の分離」の原則から資本金者である株主、経営を行う取締役は切り離されていますが、機関設計変更等により取締役1名とし監査役を置かないことも可能です。一方で、合同会社は「出資者=会社の経営者」であり、株式は発行しません。簡単に言えば、経営に参画する社員から出資金を募り、経営資金に充てて全社員が会社運営にあたる形態の企業組織を指します。なお、個人事業主とは組織に属さないで個人で独立経営を行う方のことで、いわばフリーランスに近いイメージだと考えればわかり易いのかもしれませんね。

いずれの起業形態を選択するにしても、それまで企業組織に属していた際に享受できていた安定的な雇用・社会保険料等の会社負担などから離れる訳で、常に新しいことを自分の中に取り込んでいくという積極的な姿勢と周到な準備がなければ、継続的な収益を得られずに単なる夢物語になるリスクが大きいこともまた事実でしょう。実際に個人事業主の半分は2年以内に廃業しているというデータもあります。編集人は成功のカギは、「人脈(信用・人徳など)」と「マーケティング能力(専門性・競合の少ない分野)」、そして「開業後の生活資金確保(資金繰り)」の3点だと考えており、さらに付け加えると企業に所属していた時期があれば、最低限の財務諸表(特にB/S)の読み方程度はマスターしておいてほしい大切な項目となります。

定年・定年再雇用後に待ち受けている組織の肩書がなくなった途端に、それまで自分のスキル・能力だと思っていたことが他社では全く通用しない、地域社会の中に溶け込んで行けない、士業資格保持者などでもそれだけでは仕事(収入)に結び付かないなど、今一度ご自身の置かれた立場を第三者的(客観的)視点から俯瞰しておくことが結果的にマーケットでの価値を活かす方法だと考えています。