公営ギャンブルの収益
2023年11月16日
最近、以前はJRA(中央競馬)のTVCMしかなかった地方自治体主催の公営競技(ボートレースなど)にタレントを起用したCM、夜間開催、ABEMAでの放送、ネット購入など、戦略的活動の展開で、新たな顧客層(夜間、若者、女性など)を獲得して売上高7兆円超に達しているそうです。かつて地方財政を支える役割(自治体会計への繰り入れ)を担っていた公営競技場は各地にありましたが、徐々に減少していった記憶があります。ただし、理由は分かりませんがここでも人手不足・減少(選手、厩務員等)問題があり、主催者(地方自治体)側が日程を減少させるなど対策を講じているようです。
その一方で、パチンコ・パチスロが一大ブームになり、ホリック(中毒者)や家庭崩壊・消費者金融からの借金などの様々な問題を抱えて、1996年の約18千店舗から現在は8千店舗程度まで減少を続けているそうです。また、以前は旧勧業銀行(現在のみずほ銀行)が独占していた宝くじも販売額は2021年には約8千億円まで減少しており、ネット販売や新タイプのものまでたくさんあるようです。なお、宝くじの売り上げの37%が販売元(都道府県等)へ納付され、16%は各種経費・社会貢献に充てられ、残りの46%ほどが当選金として分配されています(© 2018 全国都道府県及び全指定都市宝くじサイトより抜粋)。公営競技では概ね配当が75%程度に設定されているため、ギャンブルとしての宝くじよりは還元率が良いですが、全体として購入金額が増えているにもかかわらず収益金が伸び悩んでいるのは、JRAへの手数料や諸経費上昇が原因とも言われています。
また、都道府県等に入る分配金も箱もの(建物・施設等)から基金・赤字補填へと充てられているようですが、公営競技と言えども所詮ギャンブル性に支えられている訳です。また、ネット(オンライン)カジノの違法性と危険性を世に知らしめた山口県阿武町の誤送金事件もあり、現在の法制度に限界があるように感じます。