オフィス鴻

副業ビジネスの裏側

2024年06月15日

すきまの短時間で簡単に副収入が得られるとの謳い文句につられて、高い教材やセミナー料を支払って怪しげな副業に乗り出す方が増えていると聞きます。また、民間資格も乱立していて実際に副業ビジネスで最も稼いでいるのは、副業斡旋サイトと民間資格運営者ではないのでしょうか。今後、週休3日制や時短勤務などが拡がっていけば中には所得減少分を補いたいと考える方もいると思われますが、そもそも論として「副業の定義」を自分なりにした上で、本業にマイナスの影響がでないように新たな働き方を模索することが本当の意味での社会における能力活用機会の創出であると考えています。

一部の大手企業等では副業の解禁が進められているものの、基本的には本業の専門分野の範疇内で知見を活かした他業界等での副業経験が当該企業に新たな視点や気づきを与えてくれることが大きな目的であるはずだと思うのです。単純に考えれば本給(年収)が高く余り不自由がなく生活できるのであれば、空いた時間は自分のリフレッシュや家族との時間確保、新たな学びや人脈つくりに使うことが、社会との積極的な関係性を築いたりトータル生涯収入が増えるだろうと考えています。また、諸手当(主に時間外勤務)に対して企業側のスタンスも総額人件費の抑制といった方向に動いている面も充分にあり得ることだと思います。つまり、実際には生活費補填を必要とする方に対する詐欺的ビジネス(趣味として本人が満足できるのなら否定はしません)であるリスクを熟考した上での判断力が試されているように感じます。

実際に企業が副業を解禁する場合には、社会保険・労災・確定申告・諸法令など非常に煩雑な手続きが必要となりますから、何らかの条件付きで容認することが殆どでしょう。もっと言えば、副業で稼ぐ金額と本業所得とを時給換算して比べて遜色ない程度(例えば本業年収が600万円で2,000時間働くとして時給3千円となる仕事が簡単に見つかるかと言うこと)であるケースは稀だと思います。人手不足が顕著なエッセンシャルワーカーとして働くにしても、本業に差し支えるなら本末転倒ですよね。