オフィス鴻

博士課程の学生支援制度

2025年10月13日

文部科学省の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」とは、優秀な研究を行っている大学院生に対して生活費・研究費(最大年間290万円)などを支援する制度として2021年に創設・開始されました。日本には現在すぐに採掘可能な資源が乏しく、また理系離れと言われる中で基礎研究を含む技術育成が重要であることから非常に重要な施策だと編集人は思っています。しかし参議院外交防衛委員会で2024年度の同制度による受給者の30%が中国籍の学生であったことが問題視され、国籍条項を含めた運用方法の見直しを進めるとされていますが、その裏には大学院経営の厳しさがあるとされています。

この問題が外交防衛委員会から提起されたことは、穿った見方をすれば中国人中学生を狙い撃ちしたようにも見えてしまいます。実際に中国駐在日本人が理由も明かされずに反スパイ法容疑での拘束が相次いでいること等を鑑みれば、このような国防に関連する事態は容易に想像できたと思われます。もちろん全ての中国人留学生に問題があるとは編集人も考えていませんが、そもそも大学院存続に外国人留学生が欠かせないこと自体が問題であり、社会人を含めた日本人がもっと大学院(修士課程・博士課程)に進学したいと思えるような高等教育制度を整備・周知する施策導入の方が大切だと感じています。

編集人も40歳代の時に社会人大学院の客員講師として中間流通に関連する講義を行ったことがあります。平日は企業内で業務をこなし、週末や終業後に大学院で学ぶ方の姿勢には常に編集人にとっても良い刺激になったことを覚えています。大手金融機関や官僚には海外の大学院等でMBAや学ぶ機会が与えられていますが、一般企業で大学院での学習を支援している企業は一部の大企業に限られます。編集人も既に還暦を過ぎましたが、未だに大学院で知見を深めたいと考えている1人です。日本ももう少し学びへの支援が充実した国家になればと思うと同時に、有効性の有無は個人次第だとも感じています。