商談と会食の位置づけ
2024年04月06日
編集人の現役時代には、接待と称して会社の経費で得意先や同僚と飲食する方がまだたくさんいて、中には身内の飲み会費用を接待交際費で落とすために会社名で領収書を発行してもらうなど、横領行為に抵触するような上司もいました。そもそも、取引先との商談を成立させるためのビジネス会食では、双方の経営層やディシジョンメーカー(最終意思決定者)とお互いの考え方を理解し合いながら、今後の関係性(絆)を深めていくことが目的であり、食事会とか懇親会とは異なると考えています。もちろん、招待する側が会食の場(店と場所)を選び費用を負担し、招待される側もお礼として菓子折り等の手土産を持参するのが一般的なマナーです。
また、取引先との会食の目的は商談を成立させるためのビジネスをテーマにした情報交換と相手方との意思疎通であり、ある程度ゴールのイメージ(契約内容、次回のアポイント、相性確認等)を持って臨みますから、個室の有無、相手を楽しませる料理や飲み物、従業員の接客レベルなどを総合的に判断してお店を決める必要があること、参加者の役割分担を事前に決めておくこと、会食後に相手の要望などを振り返る(反省会)ことが重要だと考えています。そのためには、普段から馴染みで接待用の融通が利く飲食店を持っておくことや、初めて使用するお店は必ず事前に自腹で下調べしておくことなど、事前に周到に準備しておくことは沢山あります。また、ビジネス成立への御礼としての会食では、前もって相手の希望を聞くことも出来ますが、趣味・嗜好など相手が喜ぶセッティングをしておけばさらに関係性を深めることにも繋がります。
ただ、商談でもお礼の会食でも同様ですが、信頼関係を深めるにはお互いにしっかりと準備した上で節度を考えたマナーを弁える必要がある重要性に違いはありません。商談のたびに会食(ゴルフ等も同じ)することは、往々にして会食自体を当たり前の場だと相手が勘違いする恐れがあり、度を過ぎた要望などが増えてきたら要注意のシグナルだと思います。