地場産業の再興
2025年02月22日
中間山間地などに、幼い子供と一緒に移住することを奨励する自治体が増えています。企業での働き方自体もUターン・Iターンなど選択肢も拡がりつつある中で、5~10年程度の定住で土地や建物等を条件付きで無償譲渡するなどの自治体も増えてきました。ただ、自治体とは言え税収が少ないところでは金銭面の支援に限界があるため、岡山県でのある取り組みが注目を浴びているそうです。具体的には、ネクタイ製造業として長年職人さんとともに企業運営してきた企業ですが、最近のネクタイ需要の減少(クールビズなど)からOEM生産を増やしていましたが、コロナ禍で更に業績が悪化したため、一時期はリストラも視野に検討していたそうです。
しかし、先代の経営者が「いったん職人さんを解雇したら、二度と戻ってはこない」と言って頑なに拒否したため、現経営者はまずは汲み取り式トイレを最新版にしたところ従業員から非常に喜ばれたそうです。そして、あるTV番組でネクタイ製造の高品質さが報道されたことをきっかけとして3ヶ月で在庫が全て売り切れ、その後は注文生産へと経営の舵をきったそうです。当然、OEMに比べて利益は高く今でもネクタイ愛好家からの注文が絶えないと言います。最終的には先代の言った通り、職人の雇用を守ったことが現在の経営を支えていることになります。編集人もネクタイは大好きで必ずスーツ作成時と合わせて購入していましたが、やはり高品質の物(値段も相応に張ります)には特有の雰囲気が漂っているのを感じます。
編集人もSNS全盛により中間流通事業の業績が落ち込み、勤めていた企業で人的リストラを担当したことがあります。先代の言葉には「グッとくるもの」があり、新規事業開発も大切ですが事業所往訪時には必ずトイレを見に歩いたことを思い出しました。事業所長は費用のかかり嫌がりますが、編集人は必ずトイレだけは最新式の仕様にするよう別枠で予算化していました。このような気配りが企業の継続に繋がることを肌で感じた次第です。