オフィス鴻

新たなJALカード

2025年11月21日

日本航空が年会費60万円と言うJAL Luxury Cardを発表しました。編集人も年会費が高いカード(年間10万円程度)を所有していた時期がありましたが、年会費に見合ったサービスなのかを考慮して加入していました。このカードは対象を富裕層に絞り込むことで差別化を図り、さらに新ルールになった上級会員資格と同じステイタスが得られるように戦略的に開発されたサービスとも言えるでしょう。また上級会員資格を有しているとファーストクラス・ラウンジや専用保安場や優先レーンを利用できることから、航空機利用の多い方にはメリットがありそうです。

その一方で世界トップクラスとの評判が高いエミレーツ航空がデジタル化とは真逆のカウンター店舗を開設したことが話題になっています。同社は売上高約6兆円、利益約1兆円という高収益企業であり、今回の戦略がどこにあるのか編集人なりに考えてみました。まず考えられるのは高収益構造に裏打ちされた新たな成長への投資であると同時に、体験という新たな価値を顧客に提供する戦略性があるように思えます。特に同社の主力航空機は最新鋭機を揃えており、編集人の家族が利用した際にはビジネスクラスのサービスが他社を圧倒していて、値段以上の価値があったと話していました。

さて編集人が常々経営陣と議論していたことに、DX導入やAI技術活用は単なる業務効率化になっては価値を棄損するという点がありました。つまりDXやAIは手段であって目的ではないという当たり前のことです。企業ではどうしてもこの点が曖昧になりがちですが、圧倒的に差別化されたサービスと高収益性がある同社だからこそ一見逆張り的な人手と言う投資が可能になったと思われます。今回は単に勝ち組航空会社だからできたと言うより経営戦略そのものが生産性や効率性と言った視点だけではなく、本来企業として利益を上げるために緻密に考え抜かれたものだと感じています。