有能社員の退職理由
2025年10月28日
企業に属していると、時に非常に優秀とされている従業員が突然退職することに遭遇します。編集人はどの企業に於いても、最初の出勤日から3か月かけて必ず全ての職場・部署を訪問するように心がけていました。その理由は本社にいるだけではわからない様々な従業員の本音について共有することで、その上で経営戦略等に活かすように努めていました。特にその職場でキーとなると思われる従業員には昼食に誘ったり休憩時間に一緒に缶飲料を飲んだりしながら少しずつ心の距離を縮めていけば、その部署・職場での課題や解決の方向性がぼんやりと浮かび上がってくると考えていました。
特に企業にとって貢献度の高い従業員に共通する傾向として、➀経験と称して便利屋的に使われている、➁上司が風見鶏で方向性が曖昧、③他従業員との公平性が保たれていない等が挙げられます。もちろん上司からすれば能力の高い従業員に仕事を任せるのは自然の流れだと思われますが、当該従業員のストレスが徐々に溜まっているケースを見逃してしまえば突然と思える退職に繋がると考えています。その中でも最も危険だと思われる兆候は、自分の意見を述べない様になったり、有給休暇取得が増えたり、上に媚びへつらうような人材が先に出世することなどがあると考えています。
その様な兆候の背景には既に転職を意識して行動を開始していることがあるのです。その企業が成果を発揮して様々な貢献をしている従業員に正当に報いるためには、相応の規模感・利益が上がっている必要があります。そして一度有能な従業員が退職してしまうと、他の優秀な従業員の連鎖的退社が起こることも多いのです。そのようなことは業務資料や身の回りの私物を整理し始めたりする行動からもわかります。もう1つは普段は目を通す機会の少ない就業規則等を見ているならば、退職に関する規則や有給休暇消化・賞与支給関係などを調べていることも多いと考えるべきでしょう。



