オフィス鴻

生成AIと経営への活用

2025年10月29日

生成AIが世の中に普及していく中で、業務(調べもの、グラフ作成、アイデア収集等)に活用している方が増えてきている印象があります。編集人も必要に応じてAIを使っていますが、実際に企業戦略としてどのように使うのかを明確にしている会社はあまり見当たらないのが実情でしょう。その背景にあるのは効率性・生産性アップ目的としていますが、実際にそのまま使う方は少数派であり何らかのフィルターを設けてチェックしているようです。特に文書作成関連業務はAIの得意分野ですから、校正・企画書作成・稟議書・契約書等に活用することは多いと推測しています。

一方で情報の信頼性や安全性への漠然とした不安、使いこなせる人材が不足しているなどの理由で導入が遅れている企業も多いと言います。編集人も今から2年前には「とりあえず触ってみよう」との程度でしたが、やはり利用者のモラル(出典を明らかにしていない等)が不足していると様々な問題が起こり得ます。またそもそも論になりますが、検索ワード設定次第では望んでいた結果がアウトプットされないことを認識しておく必要があるでしょう。結論的には「基となる知識・知見などが不足していれば、良い結果は得られない」という、生成AI以前の問題に帰結すると考えています。

ただしいくら生成AIが普及した世の中になっても、普遍的なのは人間でしか対応できない感情の領域だと言われています。例えば交渉ごとに於ける阿吽(あうん)の呼吸や空気を読む行為、損得勘定抜きで相手をたてることなどが挙げられるでしょう。また文面構成をAIに任せるのだとすれば、巷には同じような決まり文句のような文章が溢れる可能性があります。ビジネスマナーとしての共通項はAIでも認識できますが、特に日本人特有の感覚はAIには難しいのかも知れません。結果として日本では海外に比べてAI活用の機会が少ないものの、その理由は日本特有の文化にあると考えています。