オフィス鴻

申請主義と不正受給

2024年08月05日

日本の行政で支援を受けるためには申請主義が中心である以上、受給資格の有無以前に制度の存在自体を知ることが重要になります。今回のコロナ禍では、持続化給付金・休業協力金・その他支援金などの施策に多額の税金が投入されましたが、支援までたどり着かない情報格差難民(高年齢者やSNS等で情報を得られない人々)が一定数いることも判明しています。編集人は障害年金を受給していますが、セカンドオピニオンの大学病院で難病名が判明してから身体障害者手帳を受けるために居住地の区役所福祉課に行くまで、自身が障害年金の受給資格があること(障害年金の存在自体は知っていました)さえ気づかず、結果的に約4年分の障害年金が時効となり受給できませんでした。

一般的に、大災害などの緊急時には少なからず性善説に基づいた施策を早急に行う必要がありますので、慣れない職員が申請書と全ての添付書類との照合を人手で行うにはミスが発生したり、時間がかかりすぎたりするリスクはつきものだと思います。保険証を含めいろいろと評判の悪いマイナンバー制度ですが、所得・財産による支援実施(住民税非課税世帯など)という面では、金銭的な支援が必要な人々に確実に届けられる(口座)ことを考えれば、スリムな行政推進(まずは議員数削減とIT化)と併せるメリットは多いと思います。

また、不正受給を完全に防ぐためには、受給までのスピードを犠牲にする、厳罰化(前科記録・高額な罰金)する、氏名・法人名を公表する、内部通報者を本当に保護できる制度にするなど、現行の法制度では抜け道だらけの部分を埋めていく必要があると考えています。どちらが日本の社会に適合しやすいのかが法整備の判断基準となる1つの要素ですが、性善説・性悪説どちらにもメリット・デメリットがあり、現時点での大手広告代理店等との半分癒着したような行政から改善・脱却するだけでも意義がありそうです。そのような視点では、今後の日本を担う若い層にとって生成AI技術は1つの強力な援軍になると感じています。