オフィス鴻

組織文化と採用

2024年11月17日

中小企業が人手不足下で採用活動を行う場合、応募者母集団の形成を促すことができるのかについて大企業とは異なった情報発信の視点で考察することは非常に重要です。企業側の担当者の多くが頭を悩ませることに、「差別化」をどのように表現するのかが挙げられます。他社との比較では処遇・福利厚生などの定量面では大企業に叶わずとも、応募者にとって事業内容・業務・就業条件などの制約条件の許容される範囲のものだとすれば、定性的表現ですが「応募先の採用理念等に共感ができること」が選択の重要なキーファクターになると思います。もっと直接的な表現をすれば、現場の実情を正しく把握していない採用担当者は「何をアピールポイントにすれば良いのか」が差別化要因として思い描けないことです。

具体的には、他社の真似(真似る行為自体は学習・経験値になります)をしても上手くいくとは限らず、応募者が採用担当者を見て「この企業で働いてみたい」と思ってもらえれば、採用面接に一歩近づくことでしょう。つまり、第三者の視点で物事を見る習慣と他責にしないチャレンジ精神があれば、これまで気づかなかった自社の良さを再認識できる可能性があると言うことです。つまり、採用担当者が自己成長の機会として素直に己自身を客観的に見つめることで応募者にも接することができる訳です。良く選挙で自分1人の投票行動だけでは何も変わらないから投票に行かない(選択と言うチャレンジをしない)こと等は同じ理屈なのかも知れませんね。

さらに、日本人特有の失敗をしたくないや恥をかきたくないという行動特性が邪魔をしてしまうと、新たなマインドセットが出来ずに過去の考えのままであることは往々にして応募者に伝わりネガティブなイメージを与えてしまうリスクがあります。もう1点は従来のやり方に固守するあまり「流れを変える行動変容」に移せないことが、実は他社から置いていかれていることに他ならないからです。新たな行動に移せた時点で一歩前進だと思いませんか?