経営コンサル業の倒産
2025年04月27日
経営コンサルティング会社といえば経営のプロ集団が多くいる会社といった印象が強いのですが、更に上位に位置しているのが投資ファンドによる企業再生スキルのように思います。コンサル会社は最終的に委託先の業績がどうであれ契約書に記載された業務を完了させれば収入となりますが、投資ファンドは取締役を送り込み一定の利益・企業価値が見込められるようにした時点でエクジット(投資・資本の譲渡)して収益を得る手法です。そのため、ある意味コンサルティング会社は顧客の要望に応えることが仕事であり、投資ファンドは企業価値を高めない限りは自分たちが損を被ると言う点で非常に厳しい事業です。
その経営コンサルティング企業の倒産が増加傾向にあるとの調査結果をTSR(東京商工リサーチ)が発表しました。経営のプロ集団である経営コンサルテイング企業自体が倒産する背景にあるものを考察してみました。1つめは競合企業の乱立でだと思われます。コンサル業は法律要件が少なく、企業運営に特段の国家資格を必要としていません。つまり、誰でも参入できる業界であるのです。当然、起業には相当高い専門スキルを有し、営業によって委託先の開拓を常に続けていかなければならないことが挙げられます。ただ、起業当初から従業員を抱えていかないと営業活動にも支障をきたすため、個人で行う以外は入金(業務完了)があるまでの期間の運転資金を準備する必要があります。
2つ目はIT・DXブームが一段落して次のビジネススキーム(例えば生成AIなど)に対する知見がなければ案件が獲得できないことです。編集人の場合は、敢えてコンサル会社とはせずに事業サポートに重点を置くことで、安定的な収益を上げる経営体制にしています。極論すれば、様々な知見をもった人脈を駆使して顧客要望に応えられるアグリゲーターとして位置付けているのです。また、専門性を常にブラッシュアップしていく必要があり、特に日本では遅れている中間流通機能にターゲットを絞り込んだことが良かったと思っています。