オフィス鴻

経営企画部門の価値

2024年09月18日

編集人は30歳代前半から大手専門商社の経営企画部門に兼務(人事・ロジスティクス・子会社取締役)で配属されました。その後も外資系国内法人(企業再生)、国内総合物流企業(東証プライム上場)でもほぼ同じようなポジションで執行役員となり、約30年間トップ直下案件担当や新規事業企画・既存事業の立て直しなどに従事することができ、勤務先には心から感謝しています。一般的に経営企画部門への配属はトップマネジメントに直接関連しているため、出世ルートの近道とも言われていますが、反面現業部門や経営層と意見の相違が起こることも少なくありません。

編集人の場合、日本国内では一般的な中期経営計画や戦略立案が主業務ですが、経営管理・システム関係にも知見が無く(プログラムは専門部署・ベンダーに任せ、要件定義を重要視する)単なる予算・実績等の数字集計の事務屋になってしまう場合が多いように感じます。ありがたいことに、会社側(代表取締役)からのトップ直轄案件(特命事項)を担当業務としていたことで、独自の予算(R&D等)を数億円単位で与えられていました。また経営会議のオブザーバーとして参加が許可され、自分が時間の無駄と感じる会議への出席は原則自由とされているなど、非常に恵まれた環境にあったと思っています。なお、戦略然り、予算然り、全社を俯瞰した立場で中長期的な戦略立案および執行責任を与えられていたことで、再現性の面で自身のキャリアとして非常に役に立っていると考えています。

実際には、57歳で難病治療に専念するため休職期間を経て退職しましたが、最後の仕事は日本企業が共通で利用できるIT化されたデジタル物流プラットフォームインフラの構築でした。現在は難病治療を最優先として、国内外コンサル会社等へのアドバイス、複数の社外顧問契約などを体調の許す範囲で行っています。もし、経営企画部門で自律的な仕事の進め方を習得していなければ、このようなチャンスは巡ってこなかったと思います。