自学習と福利厚生
2024年09月17日
みずほファイナンシャルグループが、福利厚生制度を見直して従業員の自己研鑚に対する投資を集中的に行うとの報道がありました。人的資源経営が注目を浴びる中、個人単位での学びへの意欲の差によって一律的な制度運用体制を改めたことで、集中的に投資する形を採用したと言えるでしょう。具体的には、学習費用と推奨する取得資格に対して費用補助・報償を用意したものですが、編集人は書籍購入費用を5万円まで認めたところに大きな魅力を感じます。
一般的な企業で導入されている福利厚生制度は、決められた枠内で企業側が用意したメニューに対して費用負担するカフェテリア型が多いのが現状です。編集人にとっては通信教育・学習アプリなどより自由に自学習(自己啓発)できる社会人大学・大学院の授業料補助や、比較的高価な専門書購入(4~5千円前後)の方が遥かに魅力的に映ります。ただ、一方では昇格等に資格試験合格を条件にしている企業もあり、それぞれの企業風土や経営者の考え方によって定められていることが実際には多いのではないでしょうか。結果的には報酬と連動して業績向上への効果が期待されますが、それ以上に人格面の涵養にもっと力を入れるべきだと編集人は考えています。
最近は転職を容易に考えている若手・中堅従業員も多く、また転職エージェントなど営利目的の事業者も増えました。しかし、大学卒業から40年以上勤める時代になり、転職の動機も表向きは「キャリアアップのため」というのが定番ですが、実際のところは人間関係や処遇への不満と言ったところが多くの本音だと考えています。本当にキャリアップをしたいのなら、まずは現在所属している企業で行動と実績を挙げることが先であり、その次の段階で前進するために転職という選択肢があるのが正しい姿のように思います。転職を4回経験した編集人ですが、幸いにも自学習の習慣(自費でセミナーを受講する、書籍を購入する、リスキリングするなど)がどの企業でも通用する力になったのだと今でも信じています。