資生堂の誤算
2026年03月04日
長年にわたって日本製造業の中でも優良企業とされてきた資生堂社が2025年度の決算で、連結最終損益が520億円の赤字になると発表されました。当初は60億円の黒字を見込んでいたのですが、アメリカ企業買収に伴う減損損失が大きく響いた様子です。一方で本業の利益は300億円程度を見込んでおり、これまでにも買収による減損処理を強いられてきたはずの同社が再び同じ轍を踏むことは、同社内のどこかに隠れた課題があるのだと編集人は考えています。M&Aは成長戦略に欠かせない手法ではありますが、日本郵政でも6,000億円の減損処理をしたことを思い出しました。
同社ではこれまで美容部員の早期退職、不採算店舗の閉鎖、希望退職実施などを行ってきていますが、一時的な中国市場での莫大な需要が消えつつある現在ではブランド力と言った点で従来の強さが発揮できなくなっているのが現状でしょう。編集人も所属していた企業で多くのM&Aを実務者・責任者として経験してきましたが、最も難しいと感じたのは企業文化の浸透・共有化とブランド力強化の2点でした。この2つは単純にDD(デューデリジェンス)だけでは算定できず、ある程度の期間買収する先の企業経営者・従業員との信頼関係が築け無ければ、後日地雷のように爆発してしまいます。
同社に限らずM&Aで失敗するケースは世界中で数多くありますが、単なる誤算と言うだけの言い訳では経営者としての資質が不足していると考えています。つまり失敗をその後の教訓として生かせることで失敗損失以上の価値を生み出せると考えているのです。編集人がいつも部員にいう言葉に「失敗しても命まで失うことはない」があります。一見失敗を許容するようにも聞こえますが、本質は「徹底的に仕事に取り組んだ結果の失敗ならば、次に活かせるようにすれば良い」という意味です。先人が残した「失敗は発明の母」という言葉は、本当のことだと感じていますね。



