オフィス鴻

逃げの言葉(予防線)

2024年09月28日

組織で働いていると、明らかに分の悪い仕事やチャレンジが必要な仕事に向き合うことがあります。編集人の場合は、経営者直轄の特命事項が全体の8割、残りの2割は経営管理・現場事業所往訪に充てていました。その中で、経営幹部による会議体では「言い訳」「当たり障りのない回答」「失敗を回避する予防線を張る」など、個人的には心理的な安全性を求める(逃げの姿勢)ような課題・資料が提出されていると、上長(代表取締役または管掌役員)に事前に許可を得て当該会議に出席しませんでした。ただし、その課題や質問に関しては簡単なレポートを事前に準備して上長に提出しておき、会議後に上長から直接打合せを求められることが多くありました。

誰しも失敗は嫌なものですし、安全策や予防線を張りたくなる気持ちも理解できます。特に、若手管理職ならば失敗で汚点が着くことを心配しますし、あと数年問題なく過ごしたい管理職がいるのも実情です。しかし、ここで理解しなければいけないと感じる点が2つあります。1点目は、経営層(特に代表取締役)は新プロジェクトや新たな試みに起用する人材について事前に絞り込んでいるケースが多く、ある意味では会議は口頭試問・昇格試験の場であるように感じていたことです。2点目は、「できること」「できない(不安要素)こと」をハッキリさせることの重要性です。つまり、管理職であれば企業内の課題に対して普段から問題意識を持って思考・行動していれば、スケジュール・成功の確度などはある程度まで推測できており曖昧な回答に終始することは無いのです。

これまでたくさんの問題を抱える組織を見てきましたが、当人が心理的な安全性を優先して守りに入っている状態では、部下や他部署と良好な関係を築くことが出来ません。逆説的には、部下や他部署へのサポートができているならば、いつでも挑戦のチャンスが巡ってくると信じています。また不正をしていない限りは、1回の失敗で会社を去ることはありませんから、時には自分自身を追い込むことも大切だと感じます。