銀座の一等地
2025年05月30日
銀座にあった東急グループが運営する東急プラザ銀座が香港系ファンドに売却されることが決まりました。同施設は編集人も若干関わったことがありますが、ロジスティクスの立場で見ると非常に導線が複雑であったような気がしています。銀座のメイン通りにある多くの施設は1階にウィンドーショッピングが出来るようなテナントが入り、2階より上層階と地下は隠れ家的な店舗が多くテナントとして入っています。また大型施設が多い割に裏路地に行けば世界観が変わるような昭和的風景に出くわしたり、狭小地に5階程度のビルが所狭しと建設されています。一躍有名になったのはインバウンドで中国系観光客がバスツアーで爆買いしていた光景ですが、昭和後期に日本人がヨーロッパの老舗ブランド店に殺到していたのと同じように思えます。
渋谷や東急沿線地区の再開発は東急グループが一丸となって進めていますが、編集人の居宅近くにある施設はなんとなく一体感が感じられません。その雑然性自体が商業コンセプトであるかの如く、聞く限りでは2年ごとに大幅な賃料値上げをすることでカオス的とも思える新業態・店舗への入れ替えを行っていると言います。もちろんターミナル駅と住宅地ではビジネスコンセプトが違って当然のことだとは思いますが、最も大きな要素はその施設への訪問客層ではないかと感じています。編集人が居宅を構えた頃は周囲には多くの畑や田んぼ、緑地などが拡がっていましたが今では狭小地に住宅を無理やり建設するケースも増えてきました。結局街づくりとはこの客層(住民)が長年かけて育んでいくもののように思います。
同じように新宿歌舞伎町に鳴り物入りで建設された東急歌舞伎町タワーも徐々に客足の勢いが衰えてきているようです。編集人は新宿歌舞伎町近くで出生したこともあり、そもそも歌舞伎町と周辺の東口・西口付近では全く異なる姿を見て育ってきました。そのため「なぜあの場所にこの施設がいるのか」「(昔のコマ劇場跡地)東宝があれば十分なのでは」とも考えています。