オフィス鴻

障害者のサポート役

2024年08月08日

編集人は企業人事に約30年程(他業務も兼務していました)関わってきましたが、なぜか小学生の頃から担任の先生に理由を聞くこともなく知的障害を持つ生徒のサポート役を命じられていました。昭和の時代ですから、まだダイバシティ(多様性)や障害者雇用という言葉すら使われていなかったのですが、いつも「なぜ自分が担当しなければいけないのか?」という疑問を感じ続けていました。企業に入ってからも、どの部署でも引き取り手のない正社員を人事部付にして預かることも多く、先程の疑問が頭を離れなかったため最終的には編集人自身が納得しなていない状態で他の従業員に面倒見を押し付けることはせずに良い点を見つけて再配属先に納得してもらい、もし上手くいかなければ再度人事部に戻すようにしていました。

社会的に弱い立場にある人をサポートすることは大切なことですが、編集人はそれを特定の従業員に担当させることには反対であり、組織(部レベル)として対応すべき事項だと今でも思っています。特に最近は精神障害を発症している方が障害者認定の6割を占めているとの厚生労働省の統計資料にもあり、また本人が障害に気付いていない場合も多くあります。まだ保護者が障害を理解してくれた上で対応してくれれば良いのですが、何かあれば証拠もなく企業側の責任にする保護者も少なからずおり、サポート役に指名された従業員に責任を押し付けることもあります。これでは、サポート役の方が精神的に参ってしまうのは目に見えていますよね。

障害者雇用促進法では法定雇用率を満たしていない企業には納付金等の実質罰則規定を設けていますが、経営層が現場の実情を正しく理解していなければ上記のような本末転倒の事態が起こってしまします。最近の障害者ビジネス(名目上のカウントをしたい企業が、障害者ビジネス事業者に丸投げする)にも沢山の課題がありますが、まじめな従業員が離職するマイナス面の大きさに気付けない経営者であれば、従業員もそこまでの企業だと割り切ることも必要でしょう。