隠れハラスメント人材
2024年11月17日
政府が推進する働き方改革の中で労働力移動は大きな目玉政策の1つとなっています。転職マーケットが過熱しているもののその恩恵にあずかれるのは全体の3割程度で、短期間で離職を繰り返し、結果的にキャリア形成が上手くできない方も増えているようです。また、転職活動に於いて企業風土を見極めることは非常に難しく、企業側も自社文化に適合する人材を見極められずに、人間関係を中心に問題を起こす隠れハラスメント人材を採用してしまうこともあります。どんなに優秀な人材でも部下が何人も辞めていくようでは企業にとってマイナスであり、最近は選考ツールの1つとして応募者が事前準備できないような適性検査やリファレンスチェックを導入している企業も増えてきました。また、面接時に応募者が想定していなかった質問をすることで、その対応を見て選考の参考にすることも、採用業務にとっては重要なことです。
離職者問題は企業の風通しの良し悪しである程度までは課題として対応できますが、最近は部下の離職が多いと上司の査定(降格等)に繋がることも多くなりました。つまり、人材不足が業績悪化要因に直接影響する業種(例えば物流・介護などのエッセンシャル事業)ならば、その企業の死活問題となりかねません。編集人も人事管掌役員をしていましたが、少なくとも部員に大声で叱責したことはありません。結果論に過ぎないかも知れませんが、部員が辞めていく理由の多くは上司次第だと思っていて、逆ハラスメントで脅す従業員はいましたが、離職者も殆どいなかったと記憶しています。ただ、最近は部員との意思疎通が上手くいかない管理職も増えているようで、特にメンタルヘルス系の不調による退職・休職が多くなっています。
因みに、一般的によく言われる仕事ができる従業員から離職していく企業の特徴をいくつか挙げると、コネや派閥的力学で人事が決まる、仕事や責任が重くなっているのに報酬が増えない、会議の多さ・長さが仕事の阻害要因になっていることなどでしょう。