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高校授業料の無償化

2025年08月09日

令和2年度から少子化対策とした私立高校授業料無償化は、与野党による合意がなされ年収制限がない就学支援金の支給が始まっています。日本の高校進学率は99%を超えており、最近は「深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成すること」を目的とする高等専門学校への進学も増えてきました。この高専の魅力は企業の技術者即戦力として就職率がほぼ100%とも言われており、日本には58校あり5年間の専門教育を受けることになります。世界各国の学生たちによるWRO® (World Robot Olympiad) で自律型ロボットによる国際的なロボットコンテストをご覧になった方もおられるでしょう。

編集人の学生時代は都内の公立高校では学区制が採用され、いわゆる公立名門校を受験するためには高い内申点獲得と単願が必須と言われてきました。しかしここ数年は少子化のあおりもあり定員割れする高校も多く、中高大一貫校が人気を博しているようです。また受験科目も公立5科目に対して私立は3科目(推薦入試も多い)という高校も多く、施設の整った私立高校を選択する受験生も出てきているようです。編集人の通っていた高校は施設も30年以上経過してかなり古びた感じの学校でしたが、子供が通っていた高校はどこかの観光施設やホテルではないと思えるほどに立派であったことを覚えています。

また授業料無償化の支援金額は約11万円(年間)から最大約40万円に引き上げられ、自治体によって運用方法・支援範囲が異なるため授業料以外にも入学金や施設費などが支給対象になっている場合もあります。問題は授業料は無償であってもその他諸費用(制服購入・修学旅行の積立金など)は別途必要なこと、北欧諸国のように教育費は無償でも過当な生徒獲得競争が起きれば学校運営自体がビジネス化してくる矛盾とも向き合う必要があります。実際に高校だけでなく大学も定員割れが生じており、最終的は国家の教育戦略が正しかったのかは数十年してみないと検証できないことが現実ではないでしょうか。